当サイトの有料コンテンツでは、特許審査官が発送した拒絶理由通知書の各条文の適用率を検索できます。適用率は、各条文が適用された数を、拒絶理由通知書の総数で割った値です。拒絶理由条文コードが新形式になった2022年5月以降に発送された拒絶理由通知書を対象にして、適用率を集計しています。日本全体の適用率は、無料コンテンツで公開しています。
今回は、単一性違反の適用率が日本一高い特許審査官の各条文の適用率をご紹介致します。下記の表の通り、この特許審査官が拒絶理由通知書を発送すると、44.41%の確率で単一性違反が指摘されています。日本全体の各条文の適用率の3.92%と比べると、非常に高いことが分かります。この特許審査官は、単一性違反と似たシフト補正の適用率も非常に高いです。
一方で、この特許審査官は、進歩性違反の適用率が日本全体に比べると低いです。新規性違反の適用率は、日本全体に比べてやや高く、単一性違反の適用率と略同程度です。この特許審査官は、新規性違反と単一性違反をセットで指摘することが多いのかもしれません。この特許審査官の特許査定率は、86.06%であり、所属部署(技術単位・審査室)全体に比べて5%程度高いので、むしろ特許査定を得やすい方のようであり、単一性の要件だけが非常に厳しいようです。
拒絶理由条文コードの適用率は、特許審査官の優劣と関係ありませんが、特許審査官ごとのばらつきが大きい統計の1つです。同じ所属部署の特許審査官の中には、ある特定の条文に非常に厳しい方もいれば甘い方もいます。ある条文の適用率が平均値から大きく外れた特許審査官の指摘は、平均的な特許審査官の指摘とは大きく異なる可能性があるので、注意が必要です。
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