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特許審決率の活用方法

今回は、特許審決率の活用方法を説明します。特許審決率は、特許審査官が発送した拒絶査定が合議体によって覆される確率です。前置審査で特許査定になった案件は、特許審決率の集計対象にはなりません。


↓は、直近10年間の特許審決率のランキングが1位の特許審査官の統計情報です。審決の合計数が少ない特許審査官は、ランキングから除外しています。↓の特許審査官の特許審決率は、96.08%のため、ほぼ全ての拒絶査定が合議体によって覆されています。合議体が拒絶査定を覆さなかった案件も、一発では拒絶審決(請求不成立)になっていないので、審判段階で拒絶理由通知書が発送されており反論の機会が与えられています。


特許審決率が高いほど、合議体が拒絶査定を覆す確率が高いので、審判請求によって権利化できる見込みがあります。このため、拒絶査定を発送した特許審査官の特許審決率が高い場合には、審判請求を積極的に検討すると良いでしょう。当サイトの有料コンテンツでは、補正無し審判の特許審決率や前置査定率(前置審査で特許査定になる確率)も掲載しているので、審判請求時の補正有無の判断に活用すると良いでしょう。


↑のスクリーンショットの通り、各年の特許審決率等の推移も掲載しているので、最近の傾向を特に考慮すると良いでしょう。↑の特許審査官は、最近の特許審決率は100%なので、まず間違いなく審判請求が成功します。拒絶査定を受領しても慌てずに、強気に審判請求をすると良いでしょう。


一方で、特許審決率が低い特許審査官もいます。このような特許審査官の拒絶査定は、妥当な可能性が高く、審判請求時に多めに補正するといった対策が必要でしょう。このように、審判請求時の補正量の判断に特許審決率を活用することもできます。拒絶審決になった場合に備えて、拒絶査定後に念のための分割出願をすることも考えられますので、分割出願の要否の判断に特許審決率を活用しても良いでしょう。

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